次世代のリクルーティング!韓国人材の心を掴む求人戦略

最近、中国発の動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」がアメリカ国内で一時的にサービスを停止し、大きな話題となりました。

現在、SNSは情報収集やコミュニケーションの主要な手段となり、就職活動にも大きな影響を及ぼしています。特に韓国では、従来のニュースサイトや求人情報誌ではなく、SNSを通じて情報を得る若者が増えており、企業もこうしたトレンドに対応した採用活動を進めています。

そこで本記事では、SNSに注目し、韓国の若者がどのように情報を収集しているのか、また韓国企業がどのように求人活動を展開しているのかを紹介します。

韓国の若者の情報収集方法の変化

〇 インスタマガジン

韓国の若者は、もはや紙のマガジンを手に取ることはありません。最近、韓国の若い世代の間では「SNSウェブマガジン」が主流になりつつあります。

SNSウェブマガジンとは、従来の紙冊子を媒体として使わず、SNSを使いマガジンを展開していくものです。プラットフォームの特性上、紙雑誌に比べて制作者と読者間のコミュニケーションが活発であり、イメージと映像中心の視覚的な楽しさを伴うコンテンツで、迅速に流行を把握して追いかけることができる即時性を持っています。

特に利用されている媒体はInstagramで、「インスタマガジン」とも呼ばれています。

インスタマガジンはInstagramのマルチポスト機能を活用して、まるでデジタル雑誌のように情報を伝える方式です。短いテキストと洗練されたイメージを組み合わせ、複雑な情報も簡単に消化できるように構成されています。

出典:インスタグラムで自分だけの雑誌を作る···「ガイド」機能の拡大 – ニュース1

〇 ニュースレター

「質の良い、でもわかりやすい情報を手っ取り早く取り入れる」

近年、韓国ではニュースを取り入れる方法としてニュースレターがもっぱら人気です。

ニュースレターという方式は以前から存在していましたが、SNSやメディアを通じて誰でも簡単に大量の情報を仕入れられるようになった現代だからこそ、より「良質で正確」な情報が求められるようになりました。

これを実現できるニュースレターアプリやサイトが登場し、人気を高めています。

これらのニュースレターの特徴は従来の新聞やニュース記事とは異なり、親しみやすい言葉遣いや絵文字が使われ、文章がより簡潔になっていることです。情報の質を保ちながらも、読みやすさを重視した設計になっています。

絵文字と親しみやすい文体を取り入れている뉴닉アプリの記事の一部

出典:国民年金改革案、それで何が問題だって? A to Z 総まとめ

Z世代に合わせて変化する韓国の求人広告

若者の情報収集トレンド変化に合わせ、韓国企業の求人広告も変化しています。ここではその一部を紹介します。

〇 SNS基盤の採用公告及び広告拡大

最近は既存の企業のホームページや採用サイトだけでなく、Instagram、TikTok、YouTube、NAVERブログのようなSNSプラットフォームで採用公告を出すケースが増えています。

特にInstagramストーリー、Reels、TikTokのショートフォーム動画を活用して、会社の雰囲気、社員インタビュー、福利厚生などを短く直観的に伝えるのが主流です。また、前述した「インスタマガジン」や「ニュースレター」の形式を採用情報発信に活用する企業も増えています。

〇 採用ブランディング強化(Employer Branding)

MZ世代(ミレニアル世代とZ世代)は単純に年収や職務だけでなく、企業の価値観、組織文化、ワークライフバランスなどを重視します。

そのため、企業はブランディング中心のコンテンツを多く制作しています。

例:

  • 社員が直接出演するVlog形式のコンテンツ
  • 「我が社の一日」のような社員の日常を共有するコンテンツ
  • 「こんな福利厚生を提供します!」という短いカードニュース型の広報物

〇 Z世代の好みを反映した「ミーム(Meme)広告」を活用

最近の韓国企業は、採用公告でもトレンディなネットミーム(meme)を積極的に活用しているようです。

最近の韓国企業は、採用公告でもトレンディなネットミームを積極的に活用しています。例えば「うちの会社の福祉、これくらいなら超インサ(인싸:超陽キャ)可能?」といったユーモラスなフレーズを入れたり、流行の人気ドラマや映画のワンシーンをパロディにした広告を作成したりします。

インターネットミームを取り入れた비즈하우스の求人広告

出典:ビズハウス、「私たちは上司に忠実ではありません」…採用情報 |ソウル市経済

〇 チャット型採用プロセス導入

Z世代は長い公告文より対話型情報提供を好む傾向があります。この特性を活かし、チャット相談、チャットボット、KakaoTalkオープンチャット相談などを導入する企業が増えています。

また、「KakaoTalkで採用相談可能」「DMください」といったフレーズを広告に入れて、アクセシビリティを高める工夫も見られます。リアルタイムでの質問対応により、求職者の疑問をすぐに解消できるメリットがあります。

韓国人材の心を掴む求人広告を作るためには

では、韓国人材に響く求人広告を作るには具体的にどうすればいいのか、ポイントをまとめてみました。

〇 適切なプラットフォーム選択

最も効果的なのは、韓国で広く使われている大手求人プラットフォームに韓国語で求人を出すことです。代表的なプラットフォームには「サラムイン(사람인)」や「ジョブコリア(잡코리아)」などがあります。

ハードルが高い場合は、日韓で共通に使われているInstagram、YouTube、LinkedInなどを活用するのが効果的でしょう。

また、弊社サービスKORECは日本企業と優秀な韓国人求職者を繋ぐ専門の採用プラットフォームとして、言語の壁や採用慣行の違いを解消し、効率的な採用活動をサポートしています。日本企業が韓国人材にアプローチする際の強力なパートナーとして、最適な採用戦略をご提案いたします!

〇 ビジュアルで魅せる企業の魅力

前述したように、韓国では「わかりやすく、そして簡単に」情報を収集できるというのが近年の情報収集の傾向です。写真やグラフィック、動画などを多用し、視覚情報に富んだコンテンツを提供することが重要です。

〇 トレンドを取り入れたアプローチ

韓国ではトレンドの移り変わりが早く、新しい流行に敏感な文化があります。時事ネタやミームを取り入れた広告は注目を集めやすいでしょう。

ただし、トレンドを取り入れる際は表面的な模倣にならないよう注意が必要です。企業の本質的な価値観やメッセージと自然に結びつくような形で取り入れることが大切です。

まとめ

いかがでしたか。

韓国の若者の情報収集手段は、インスタマガジンやニュースレターなどの新しい形式へと移行しています。日本企業が韓国人材を採用する際には、これらのトレンドを理解し、SNSや現地のプラットフォームを活用することが重要です。

適切なメディアを選び、視覚的に魅力的で、トレンドを取り入れた、対話型の求人広告を作成することで、韓国人材採用の成功につなげることができるでしょう。何より大切なのは、韓国の若者がどのように情報を収集し、何を重視しているかを理解することです。

企業文化と採用ブランディングを効果的に伝えることができれば、国境を越えた人材獲得も決して難しくありません。ぜひ韓国人材を採用する際に参考にしてみてください。

参考文献

「SNS」を雑誌に···コンテンツを盛り込んだ新器「インスタマガジン」

国民年金改革案、それで何が問題だって? A to Z 総まとめ

インスタグラムで自分だけの雑誌を作る···「ガイド」機能の拡大 – ニュース1

ビズハウス、「私たちは上司に忠実ではありません」…採用情報 |ソウル市経済