韓国人学生の採用は卒業時期・就職活動の開始時期・終了時期が学生ごとに大きく異なり、就職市場は年間を通じて動いているのが実態です。本記事では、日韓の卒業時期・選考スタイルの違いを整理したうえで、韓国特有の祝日や重要イベントへの配慮ポイントを解説し、日本企業が時期に縛られすぎず、安定的に韓国人人材と出会うための考え方をお伝えします。
日韓の「卒業時期」と「選考スタイル」の根本的な違い
卒業時期は「2月・8月」の二期制が主流
日本では3月卒業・4月入社が一般的ですが、韓国の大学は2月卒業と8月卒業の二期制が主流です。これにより、学生が就職市場に出てくるタイミング自体が年に二度あります。
さらに、韓国では卒業と同時に就職することが前提ではありません。
卒業後に改めて就職活動を行う人も多く、就活のスタート時期は人それぞれです。この点が、日本の新卒一括採用との大きな違いといえるでしょう。
日本の新卒採用より「中途採用」に近い市場構造
韓国では、一括採用よりも随時採用が一般的です。学生側も、年間を通じて求人情報を確認しながら、自分のタイミングで応募・選考に進みます。
そのため、韓国人学生の就職活動は、日本でいうところの中途採用に近い感覚で捉えると理解しやすくなります。いつ就活を始めるか、いつ日本就職を意識するか、いつ内定を目指すかに大して「正解の時期」はなく、年間を通して採用ターゲットが存在する市場であることが重要なポイントです。
選考スケジュールは「短期集中」が好まれる
韓国人学生は、数カ月にわたる長期選考よりも、短期間で結果が出る選考プロセスを好む傾向があります。これは、韓国の就職市場全体がスピード感を重視していることに起因します。日本企業が韓国人学生を採用する際は、面接回数をまとめる、選考期間をできるだけ短くする、結果連絡を迅速に行うといった配慮を行うことで、「この企業は自分たちの時間を尊重してくれる」というポジティブな印象につながります。
日程配慮が採用競争力を高める!避けるべき日程一覧
韓国の祝日のうち、旧正月(ソルラル)と秋夕(チュソク)は、日本の正月やお盆とは比較にならないほど重要視される「名節」であり、採用活動においては完全に停止すべき期間です。この期間の配慮が、学生の心をつかむことになります。
避けるべき「家族最優先」の最重要期間
旧正月(ソルラル): 毎年、陰暦の1月1日とその前後1日、計3日間が公休日となります。
文化的背景: 先祖供養(茶礼)や目上の人への挨拶(歳拝)など、家族の絆が最優先される行事です。帰省ラッシュもピークを迎えます。
日程調整の黄金ルール: この期間の面接や課題設定は、即座に不採用の意思表示と受け取られかねません。公休日が確定したら、その週は完全に避けてください。
秋夕(チュソク): 毎年、陰暦の8月15日とその前後1日、計3日間が公休日となります。
文化的背景: ソルラルに並ぶ最大の名節で、収穫感謝と先祖供養を行います。これも大規模な民族大移動が発生します。
日程調整の黄金ルール: 公休日とその前後の日程は特に慎重に調整すべきです。内定者フォロー期間であっても、チュソク前に**「ご家族との時間を大切に」という配慮のメッセージ**を送ることは、内定辞退防止に極めて効果的です。
国民的なイベントと学習期間の尊重
大学修学能力試験 (スヌン): 毎年11月第2または第3木曜日が有力です。
配慮: 韓国社会全体が受験生に配慮するため、当日は交通規制や企業・官公庁の出勤時間調整があるほどです。この日はもちろん、その前後も受験生(既卒者含む)への配慮から、採用イベントは原則設定すべきではありません。
勤労者の日: 毎年5月1日(金曜日)
配慮: 法定休日であり、多くの企業が休みとなります。日本の採用担当者もこの日の状況を確認し、5月上旬の連休は面接を避けるか、オンライン面接に限定するなどの配慮が必要です。
「夏を逃しても終わりではない」という視点
7〜8月は、韓国人学生が比較的就職活動に時間を割きやすい時期であり、活動人数がやや多くなる傾向はあります。ただし、この時期を逃したからといって、良い人材がいなくなるわけではありません。韓国の就職市場は年間を通じて動いているため、いつから採用を始めても、一定数の採用ターゲットは存在します。重要なのは「時期」よりも、採用条件の明確さと選考スピードです。
4月入社を想定する場合の実務上のポイント
日本企業が4月入社を前提とする場合は、就労ビザ申請のスケジュールを考慮する必要があります。手続き期間を逆算すると、遅くとも12月末までに内定承諾を得ておくことが望ましいといえます。これは韓国人学生特有の事情ではなく、日本側の実務上の要件であり、あらかじめ採用計画に織り込んでおくことが重要です。
まとめ
日本企業が韓国人人材を採用する際は、「この時期でなければ採れない」という発想から離れ、通年で出会いがある市場として捉えることが重要です。文化や生活リズムを尊重した採用スケジュール設計こそが、内定辞退を防ぎ、採用競争力を高める最大のポイントとなるでしょう。
参考記事
日韓の採用枠の違い:https://bwell-i.com/korec/magazine/archives/445
採用の早さ:https://koreantenna.com/media/job-hunting-in-korea/
スヌンについて:https://www.konest.com/contents/korean_life_detail.html?id=568