日本企業での活躍を目指す韓国人材との面接を、より魅力的にしたいとお考えの採用担当者の皆様へ。就職活動中の韓国人材の間では、日本企業で働くことに対する関心が年々高まっており、日本企業ならではの安定性や専門性、丁寧な育成制度などに魅力を感じている学生が多く見られます。本記事では、そうした韓国人材との面接において、企業の魅力を最大限に伝え、韓国人材に響く言葉や対応のヒントをわかりやすく解説していきます。
面接でのコミュニケーション方法
ゆっくり、丁寧に
韓国人材にとっては、オンラインオフライン問わず海外での面接となるため、想像以上に緊張しているでしょう。人事担当の皆様は、いつも以上にはっきりした発音や、適度に間を取ることを意識し、韓国人材が理解しやすいような話し方を心がけましょう。言葉だけでなく、表情や手ぶりを交えることで、内容がより伝わりやすくなります。また、言語の違いにより、回答する際に考える時間が長くなることがあるため、韓国人材が回答を考えている間は話を遮らずに待つことが大切です。
わかりやすく、引き込まれる言葉
日本語検定N1取得済みの韓国人材だからといって安心せず、理解が難しい和製英語や短縮言葉、二重否定の使用は避けましょう。専門用語を使わず、簡単な単語で話すことで、よりスムーズなコミュニケーションが可能になり、素の姿を引き出すことができるでしょう。また、日本語でよく用いられる曖昧な表現は使わず、具体的な言葉で伝えるように心がけましょう。例えば、「できれば早めに提出してください」ではなく、「⚪︎日までに提出してください」と明確に伝えることで、相互の考えのミスマッチを防ぐことができます。
自社の魅力を具体的にアピール
フレキシブルな働き方
2024年に韓国経済人協会が発表した調査によると、韓国のMZ世代が就職したい企業として最も多かったのは、「仕事と生活のバランスが保障される企業」でした。在宅勤務やフレックスタイム制度、コアタイムなしの自由な働き方に多くの方が魅力を感じるようです。仕事の安定感とプライベートの自由度を両立できる職場環境は、韓国人材にとって非常に魅力的なポイントとなります。
充実した福利厚生制度
海外で働くことになる韓国人材にとって、安心して長く働ける環境づくりが重要です。まとまった長期休暇を取得しやすい制度や、有給休暇の柔軟な運用によって、定期的に韓国へ帰省できることは大きな魅力です。さらに、産休・育休手当、住宅補助、健康保険など、ライフステージの変化に対応した福利厚生が整っていることも高く評価されます。近年では、副業に関心を持つ韓国の若者が多いため、副業について前向きに導入している企業では、副業が可能であることや、その条件についても事前に説明をされると良いかも知れません。
コミュニケーションや体験する機会を設ける
働く部署の上司も面接に参加する
韓国人材の中には、学生時代から専門分野に特化して学習したり、スクールに通い、スキルアップや今後のキャリアプランを明確に描いている方が多くいらっしゃいます。そのため、採用担当者だけでなく、採用となった場合に実際に働く部署の上司や先輩社員が面接に参加することで、より具体的でリアルな情報を提供することができます。韓国人材が過去にどのような経験をしてきたのかを理解し、それをどのように活かせるか、また入社後に担当する業務の内容や働き方について直接伝えることで、韓国人人材と企業のマッチ度を高めることができるでしょう。
社風や文化をオープンに話す
韓国人材は、企業選びの際に「社風」や「職場の雰囲気」といった点も重視しています。企業側からの質問に加えて、質疑応答の時間を十分に設けることで、韓国人材が疑問に思っていることを率直に質問できるような雰囲気をつくることが大切です。また、社員のリアルな声を紹介したり、職場の写真・動画を活用した説明を行うなど、視覚的・感覚的に社風を感じられる工夫も効果的です。企業文化を具体的にイメージし、共感してもらうことが、長期的な定着にもつながるでしょう。KORECが韓国で行っている合同会社説明会「MeetUP!」イベントでも、会社説明会後そのまま懇親会などの形でより近い距離で相互に話をできる時間を設定しています。参加した韓国人材から、懇親会でもっと企業を知れた、社風が感じられて安心したなど好評を得ています。
面接後のフォローアップ
メールの返信は早めに
多くの韓国人の方は、日本人に比べて行動や判断がスピーディーで、連絡を待つ時間にも敏感な傾向があります。面接後にしばらく連絡がない場合、「不採用だったのだろう」と判断され、他の企業に流れてしまう可能性もあります。面接結果の連絡は、面接時に「○日以内にご連絡します」と具体的な時期をあらかじめ伝え、1週間以内に返信することが望ましいでしょう。日程調整や進捗の遅れがある場合も、途中経過を適宜伝えるなど、こまめな連絡が信頼関係の構築につながります。
フィードバックや次回面接の細やかな連絡
韓国人人材は、企業から「自分がどのように評価されているか」や「どの点を見られているか」に高い関心を持っているようです。そのため、合否にかかわらず可能な範囲でフィードバックを伝えると、企業に対して好感的な印象を持つようになるでしょう。また、内定後には不安や疑問を解消できるよう、Q&Aセッションやオンライン説明会の機会を設けると効果的です。企業文化や制度に関する詳細な説明はもちろん、一緒に入社する同期や、先輩社員との交流の場を用意することも、安心して入社を決めてもらうための一助となるでしょう。
まとめ
韓国人材との面接で意識したいポイントについてお伝えしました。優秀な人材と出会うためには、単に質問を重ねるだけでなく、企業の魅力をしっかり伝え、応募者の価値観や文化に寄り添う姿勢が大切です。本記事でご紹介した内容を参考に、韓国人材の心に響く面接を実現し、より良いマッチングにつなげていただければ幸いです。
参考文献
KORECコラム:韓国人学生を惹きつける!成功する企業説明会の3つの秘訣
KORECコラム:優秀な韓国人材の心を掴むには?採用フロー別完全ガイド
KORECコラム:韓国人材が日本で困るオフィス日本語8選(掲載次第)
KORECコラム:韓国MZ世代が望む働き方
KORECコラム:説明会でアピールするポイントがわかる⁉︎韓国人材が今企業に求める働き方