知っておきたい!韓国の主要財閥グループサムスン・現代・SK・LG以外にも注目すべき企業たち


韓国の企業文化を語るうえで欠かせないキーワードが「財閥(재벌)」です。財閥とは、複数の業種にまたがる巨大企業グループであり、韓国の経済成長を牽引してきた存在です。財閥の多くは家族経営に近く、創業家が経営権を代々継承しているのが特徴です。また、傘下にある企業同士で持ち株を保有し合うなどして、強固な経営基盤を築いています。一方で、韓国経済に占める比率が大きく、社会的影響力も大きいため、時にその集中度やガバナンスが議論になることもあります。財閥グループは韓国国内のみならず海外市場でも積極的に展開しており、日本とのつながりも深く、多くの有名製品やサービスが私たちの生活にも関わっています。本記事では、サムスン・現代・SK・LG以外の代表的な財閥グループを、日本との関係や有名な製品にも触れながら紹介します。

 注目の財閥グループ 5選

財閥名特徴的な分野キーワード
ロッテ食品・観光・流通日韓の橋渡し
CJエンタメ・食品Kカルチャー発信源
ハンファ防衛・再エネ宇宙、安全保障
斗山インフラ・水素環境と技術革新
GS石油・流通日常インフラの担い手

財閥の特徴

  • 家族経営的体制:創業家が経営権を代々継承
  • 持株構造:グループ内での株式保有で支配力を確保
  • 社会的影響力が大きく、ガバナンスがしばしば議論の対象に
  • 国内外で積極展開し、日本とも深いつながりを持つ企業も多数

ロッテグループ(LOTTE GROUP)

  • 企業使命:お客様に愛され信頼される製品およびサービスを提供し、人類の豊かな暮らしに貢献
  • 主な事業:食品・流通・観光・化学・建設・金融
  • 国内役割:流通・観光の最大手、日常生活の中核企業
  • 日本との関係:創業者は在日韓国人。日本と韓国の両市場で事業展開。ロッテリアやロッテ製菓など、日本でも高い認知度を誇る
  • 採用視点:グローバル採用に積極的で、日本語・韓国語のバイリンガル人材がブランド・商品開発・観光事業で活躍中。日韓文化の違いを理解した人材の活躍余地が大きい
  • 代表製品:ガーナチョコ、キシリトールガム、ロッテホテル、ロッテワールド

ポイント:ロッテグループは創業者が在日韓国人であることから、日韓両市場を深く理解する企業文化を持ち、日常生活に密着した事業を幅広く展開しています。採用においてもバイリンガル人材の活躍が顕著で、観光・食品・流通などの現場で日韓の文化や顧客感覚を橋渡しできる人材に高いニーズがあります。

CJグループ(CJ GROUP)

CJジャパン: https://cjjapan.net/vision/index.php

  • 企業理念:「Only One」を追求し、世界で最高の価値を創出
  • 主な事業:食品・エンタメ・バイオ・物流・通販
  • 国内役割:Kカルチャー・食品ブランドを通じて国民生活に浸透
  • 日本との関係:CJ ENMはK-POP・韓国ドラマを日本に多数輸出。食品ブランドbibigoは日本のスーパーやコンビニにも広く展開
  • 採用視点:Kカルチャーの輸出企業として、クリエイティブ職・海外営業職で外国語人材を積極活用。日本市場拡大の観点から、日韓の文化やマーケティングに詳しい人材にニーズがある。
  • 代表製品:bibigo、CJ大韓通運、tvN、Tving、CJ CGV

ポイント:CJグループは「Kカルチャー」と「Kフード」をグローバルに展開するトレンド牽引企業として、日本市場とも深くつながっています。採用においては、クリエイティブ職やマーケティング職を中心に外国語・多文化理解を備えた人材を重視。特にK-POPや韓国ドラマ、韓国食品への関心が高い人材は、ブランド理解が強みになりやすいです。日韓の文化や消費者感覚を翻訳できる人材の採用・育成に有望な領域です。

ハンファグループ(HANWHA GROUP)

ハンファグループ: https://www.hanwha-japan.com

  • 企業理念:「共に行けば遠くへ」—社会貢献と誠実な成長を強調
  • 主な事業:化学、防衛、再エネ、建設、金融
  • 国内役割:防衛・宇宙・エネルギーの国策関連で重要な役割
  • 日本との関係:再エネや精密機械分野での協力や取引あり
  • 代表製品:Hanwha Q CELLS、K9自走砲、ハンファ生命、証券

ポイント:ハンファグループは国家戦略にも関わる防衛・宇宙・再エネ分野で存在感を放つ「未来産業」系財閥とされています。特に理系・工学系出身者や、エネルギー・宇宙産業に関心のある人材にとっては、技術力を国際的に活かせるフィールドが広がっています。日本企業との技術協力も進んでおり、国際感覚を持った技術者・研究開発職の活躍が期待されます。高い専門性と社会貢献性を兼ね備えた志望動機を引き出しやすい点も魅力です。

斗山グループ(DOOSAN GROUP)

  • 斗山グループ: https://www.doosan.com/
  • 企業理念すべての人が自分の可能性を最大限に発揮できる機会に満ちた世界を創造する
  • 主な事業:重機械、発電設備、水素エネルギー、建設装備
  • 国内役割:国家インフラを担う重工業の中核企業
  • 日本との関係:斗山ボブキャットは日本の建設・農業市場でも活用中
  • 採用担当:インフラ・水素関連などの未来産業に注力。日本との産業協力も進行中で、日本市場に理解のある技術者・営業職への期待大。
  • 代表製品:斗山重工業、水素タービン、水処理設備、斗山ボブキャット

ポイント:斗山グループは発電設備・水素エネルギー・重機械など、国家のインフラを支える事業を手掛けており、特に脱炭素社会に向けた水素技術に注力しています。日本市場でも建設・農業分野で製品が使われており、技術職・営業職において日韓市場を横断できる人材の採用ニーズが高まっています。インフラ・再エネ分野に関心を持ち、現場と国際的視野を両立できる人材は企業にとって重要な戦力となるでしょう。

GSグループ(GS GROUP)

  • GSグループ https://www.gsglobal.co.jp/GSgroup/outline.html
  • 企業理念:顧客と共に明日を夢見て、新たな人生の価値を創造
  • 主な事業:石油化学、流通、建設、エネルギー、通販
  • 国内役割:GS25(コンビニ)が生活インフラを支え、GSカルテックスは燃料の要
  • 日本との関係:エネルギー開発で日本企業と協業実績あり
  • 採用担当:コンビニ・建設・エネルギーなど生活インフラ領域でバイリンガル人材の配置が進む。特に流通業界では日本語力+現場力を持つ人材が好まれる傾向。
  • 代表製品:GS25、GSカルテックス、GS建設、GSショップ

ポイント:GSグループは、コンビニ「GS25」やエネルギー事業を通じて韓国の生活インフラを担っています。日本との協業経験もあり、特に流通・小売・建設業界においては日本語能力と現場感覚のある人材が重宝されます。BtoCとBtoB両面での展開があるため、多様な職種でグローバル人材の活躍の場が広いことも特徴です。

まとめ:多様化する韓国財閥の魅力とは?

韓国の財閥は、それぞれが独自の企業理念、事業領域、社会的役割を持ち、韓国の経済・文化・技術・生活基盤を幅広く支えています。今回ご紹介したロッテ・CJ・ハンファ・斗山・GSの5つのグループも、「モノをつくる」「文化をつくる」「未来をつくる」といった観点から、韓国社会に大きなインパクトを与えている存在です。

ロッテは日韓にルーツを持つ独自の存在感で観光や生活に貢献し、CJはK-カルチャーと食文化を世界へ発信。ハンファは宇宙・防衛・再エネなど国家の未来を担い、斗山は水素・インフラの分野で脱炭素社会をリードしています。GSは流通とエネルギーの両輪で、人々の暮らしを支えています。これらの企業を知ることは、韓国の現在を理解するだけでなく、将来性のある産業や日韓ビジネスの接点を知る手がかりにもなります。

各財閥は、それぞれ異なる成長戦略・企業文化・国際展開方針を持っています。採用担当者にとっては、自社の採用方針とマッチするグループの特徴を押さえることで、志望動機の強化や人材要件の見直しに活かせます。とくに日韓をまたぐビジネスでは、語学力に加えて、文化理解・相互適応力を持つ人材の発掘と育成が今後ますます重要になるでしょう。

今後もグローバル化・デジタル化・環境問題など、社会の変化に合わせて進化する韓国企業から目が離せません。