
現在、日本では有効求人倍率が高く、採用難に直面する企業が増加しています。一方、韓国国内では求人倍率が低迷し、特に若年層を中心に「日本で働きたい」と考える人材が増えています。
こうした背景を踏まえ、本記事では韓国人材から注目される求人情報を作成するための5つのポイントをご紹介します。求人情報を工夫することで、優秀な韓国人求職者からの応募を獲得し、グローバル採用を一歩リードしましょう。
入社後のキャリアパスを明確に提示する

韓国人材が最も注目するのは、「その企業でどんな成長ができるか」というキャリアビジョンです。特に海外経験や語学力を活かせる環境を求める傾向が強く、求人情報でキャリアの見通しをしっかり伝えることが重要で、例えば以下のような表現が効果的です。
「外国籍社員との協働プロジェクトに参加可能」
「グローバル人材としての海外拠点への異動実績・育成制度あり」
こうした情報があると、自分のキャリアを描きやすくなり、志望度が高まります。彼らは成果志向が強く、成長できる環境を重視します。そのため、「入社後どう成長できるか」が伝わる求人情報は非常に効果的です。同時に、企業の売上や事業内容、今後の展望などまで含めて、かなり深掘りした企業研究を行う方も多いです。自身の活躍の場を冷静に見極め、より具体的な成長に繋げるため、会社説明会などでも鋭い質問が出ることも多いです。
また、なぜ外国人材を採用するのかという理由も記載することで信頼感が増します。「優秀な人であれば国籍を問わず採用」「グローバル化を見据えた外国人採用を強化中」といった文言は、企業の姿勢を伝える有効な一文となります。
選考フローと受け入れ態勢を明確に書く

「書類選考→筆記試験→チームメンバーとの1次面接→最終面接→入社(契約は3か月更新)」などのように選考フローを具体的に記載することで、日本就職に対する韓国人材の不安の解消につながります。また、契約更新期間や雇用形態についてもあらかじめ正直に記載することで、入社後のミスマッチや早期離職を防ぐ効果もあります。契約更新の条件や評価基準も提示すると、信頼を得やすくなります。さらには「就労ビザのサポート」や「外国人社員への支援制度」などの受け入れ態勢の明記もポイントです。以下のような情報を明記すると、安心感を与えることができます。
「就労ビザ取得・更新を全面サポート」
「外国人社員向けの入社オリエンテーションあり」
「住居探し・行政手続きの支援制度あり」
「外国籍社員の在籍比率や国籍の内訳」
これらは、採用前の不安解消につながり、信頼できる企業として印象づける要素となります。特に韓国人材は、職場での孤立や情報不足を不安視する傾向があるため、「受け入れ体制が整っていること」をアピールすることは非常に効果的です。
フォローアップ制度と社内文化について

日本はOJTが盛んなことで国際的にも注目されています。(参考 OJTとは?意味や目的をわかりやすく解説 | HR Trend Lab)一方韓国では一般的に研修制度がなく、とりあえず自分で行動してやってみるということが重要視されています。そのため、OJTの有無や期間、メンター制度の導入、週1回の1on1ミーティング実施状況などを記載することで、「安心して働ける環境が整っている企業」として魅力が伝わりやすくなります。特に、「入社後◯ヶ月は先輩社員がマンツーマンで指導」「月に1回はキャリア面談を実施」といった具体的な制度や頻度を提示すると、曖昧な表現よりも説得力があり、企業がどれだけ未来の人材を生み出すことに力を入れているのか伝わります。
また韓国人材は、職場の人間関係や社風にも敏感です。日本企業の「年功序列」や「上下関係の厳しさ」に対する懸念を抱くケースもあるため、求人票ではダイバーシティやフラットな文化を積極的に伝えると良いでしょう。たとえば、
「国籍問わずフラットな組織風土」
「韓国人社員3名在籍。多国籍な職場環境」
「外国人向けメンター制度・フォローアップあり」
「社員の声をもとに制度改善を実施」
といったように、具体的な社内の雰囲気や実績を記載することで、より現実感のある職場イメージを持ってもらえます。
面接重視&先輩社員紹介やオフィス紹介で安心感を

語学要件の目安は「日本語能力試験(JLPT)N2以上」としていますが、実際の日本語運用力については選考時の面接を重視していることを明記しましょう。形式的な資格だけでなく、実際のやり取りを通して判断するため、語学に自信がない方もチャレンジしていただけます。さらに業務上必要な日本語についてサポート体制が整っていること、働きながら学ぶことができる環境である、という紹介も有効です。
また、すでに韓国人社員が在籍している場合は、彼らのインタビューや働く姿を求人情報や採用サイトなどで紹介することで、言語や文化面での不安を和らげる効果があります。さらに、オフィスの雰囲気や会社周辺の生活環境(ランチスポットなど)を写真や動画で見せることで、入社後の暮らしや仕事のイメージをより具体的に持ってもらうことができます。
給与・福利厚生は「見える化」が重要

韓国の求人情報をみると大抵の会社が給与の欄に「면접으로 협의 가능(面接にて協議可能)」と記載されていることが多く、「年俸制」や「税控除が少ない」という傾向にあります。月給だけでなく年収ベースでの記載や、実際の支給額に近い数字(手取り換算)を併記するとなお効果的です。また韓国人材は福利厚生や安定性への意識が非常に高く、求人情報のなかでも給与や待遇に関する記載は重視されます。曖昧な表現よりも、できるだけ具体的に記載することがポイントです。
「基本給◯◯万円+交通費全額支給」
「年収:初年度300万円〜/昇給年1回/賞与年2回」
「住宅補助・通勤手当あり。帰省費用一部補助」
「社会保険完備。正社員登用制度あり」
「年間休日120日以上、有給取得率70%」
といった内訳や補足情報を含めて提示することで、給与に対する不透明さを解消できます。特に、「日本での生活費をカバーできるのか」「長期的に安定して働けるのか」といった不安を解消できる情報は、応募を後押しする大きな要素となります。
おわりに
いかがでしたか?一番大切なことは求人情報に事実を記載することであり、残業時間や評価方法など誠実に・正確に記載することが重要です。明確な情報の記載によって韓国人材の不安感を取り除くために言語・文化・就労背景に配慮した情報設計が必要です。
特に文化や言語の面でハンディを感じる彼らに徹底したフォローアップや会社の制度が整っていることをアピールすることで魅力を感じてもらうことができます。